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リビルドレポート

2010年10月22日(金)
EJ20G リビルド その5

カム山接触面が磨耗したラッシュアジャスター(バルブリフター)

分解して点検中のラッシュアジャスター

カムタイミングを確認

ターボの軸受けから漏れてきたオイル

完成しました

 ヘッドが付いたらラッシュアジャスターを組み付けます。

 点検したところ、全16個中、

カム山接触面磨耗:4個
エア混入      :6個
問題なし      :6個  

と言う状態でした。

 カム山接触面が磨耗している物は、新品に交換しました。エアが入ってガタが出ているラッシュアジャスターは、マニアルどおりにエア抜きを行っても改善される気配がなかったので、リビルドしました。

 分解は、プランジャ(バルブステムエンド接触側)を引っ張って外しました。中に入っているチェックバルブの気密を点検するために、灯油を入れて漏れ確認。問題なかったのでオイルの中で組み立てました。組立後は全く問題なく、しばらく置いておいてもガタは出ませんでした。

 カム取付後タイミングベルト取付(再使用)。外す時に、カムとクランクプーリーとの合マークを記入しておいたので、問題なく作業は進みました。一応カムタイミング確認。分解時にも確認しているので比較してみます。


分解時
RH IN:110.10°
RH EX:117.10°
LH IN:105.75°
LH EX:120.35°

組立時
RH IN:110.00°
RH EX:118.10°
LH IN:107.05°
LH EX:120.15°

 ほとんど同じでした。ちなみに設計値は(マニアルより)
IN:115°
EX:112° です。実測値とずいぶん差がありました。

 エンジン本体がほぼ出来上がってから、ターボの点検をしました。ターボ本体を通っているオイル通路にオイルを流して、ゴミなどが出てこないかどうかを点検しました。
 すると、タービンの軸受けからオイルが漏れてきました。軸受けのオイルシールが痛んでいるようでしたが、分解修理ができないので、リビルド品に交換することになりました。


 最後に、インマニの周りの痛んでいるゴムホースを交換後、エンジン本体に取り付けて完成しました。


2010年10月22日(金)
EJ20G リビルド その4

ブロックを立てた状態でピストンを組み付けます

ピストンは下死点の位置まで挿入します

ピストンピンのサークリップは溝の中で軽く動けばOK

ピストが入ったら、エンジン台に取り付けます

シリンダーヘッド取り付け ヘッドボルトは新品に交換しました

 ブロックを組んだら、ピストンを取り付けるためにブロックを立てます。ピストンを下死点の位置にして、ブロックのサービスホールからピストンピンを挿入します。

 奥側のピストンサークリップは、ピストンを取り付ける前に、予め取り付けておきます。専用工具のピストンピンガイドを使用して、ピストンのピン穴とコンロッドの小端穴を一致させてピストンピンを挿入します。
 小端のピストンピンクリアランスは、0.020伉なので、穴がほんの少しでもずれていると全くピンが入っていかないので、ピストンピンガイドで確実に穴位置を合わせます。

 ピンが入ったら、手前側のサークリップを取り付けます。ピストンの溝に確実に入ったことを確認します。

ピストン取付後の起動トルク(クランクシャフトを回転させるのに必要な最小トルク)は8〜9Nmでした。


 ピストン組み付け後ヘッドを取り付けます。ヘッドボルトは新品に交換しました。ヘッドボルトは角度締めなのでトルクの指示はありませんが、実測で79〜95Nmでした。


2010年10月21日(木)
EJ20G リビルド その3

ボーリングできれいになった4番シリンダー

使用するオーバーサイズピストン

コンロッドナットはボルトの伸びを確認しながら締めます

合マークを付けたブロック結合ボルト

クランクメタルにはモリブデンオイルを塗布します

 シリンダーがボーリング加工から帰ってきました。
アルミが溶着していた4番シリンダーも、きれいに仕上がっています。

 シリンダー内径を測定してピストンクリアランスを確認します。
標準値は0.020±0.010个任垢、今回は0.030±0.005个任願いしました。

 入荷したアンダサイズのクランクメタルでメタルクリアランスを確認します。ブロック結合ボルトは再使用、シールワッシャは新品に交換して規定トルクで締め付けます(ブロック結合ボルト全10本の内、6本はボルトの頭がブロックのウォータージャケット内に露出するので、冷却水がクランクケース内に浸入しないようゴムシール付のワッシャを使用しています)。

 締付トルクは47Nm(4.8kgm)です。締付後、ボルトの頭とブロックに合マークを付けます。合マークは、クランクジャーナル内径が常に同じ寸法になるようにするためです。

 ブロック結合ボルトは、クランクジャーナル部分を締め付けています。トルク管理なので、ボルトの軸力はボルトのねじ山とワッシャと当たる面のすべり具合の影響を受けます。そして軸力により、クランクジャーナル内径が変化します。

 同じトルクですべりの良いボルトは、回転角度が多いので軸力が上がります。ブロック同士を結合する力が強くなるので、ジャーナル内径は小さくなります。あまりすべらなければ、ボルトの軸力はすべるボルトよりも小さいので、ジャーナル内径もボルトの軸力が大きい個所よりも大きくなります。

 メタルクリアランスを確認後、クランクシャフトを仮組みして軽く回ることを確認します。その後本組になりますが、その都度ブロックを分割して結合ボルトを再度締め付けることになります。その場合、各ボルトのすべり具合が常に同じとは限りません。メタルクリアランスを確認した時よりもすべるようになればジャーナル内径が小さくなるのでメタルクリアランスが小さくなります。すべらなくなればメタルクリアランスは広がってしまいます。

 するとメタルクリアランスを確認した時は、測定値がマニアルで指定されている範囲に入っていたにもかかわらず、本組のときは範囲を外れてしまっているという状態になる可能性があります。

 このようなジャーナル内径の変化を防ぐために、最初に締め付けたときにボルトに合マークを付けます。その後はトルクよりも合マークを優先して締め付けます。合マークがあっていればジャーナル内径は常にほぼ同じ寸法になります。

 なぜこのようなことになってしまうのでしょうか?考えられる理由として、締めたり緩めたりを何度か繰り返すと、ボルトとワッシャの当たる面の凹凸が滑らかになり、すべりやすくなるのが原因ではないかと思われます。

 EJ20Gは1番ジャーナルのボルト2本(一番前:他の8本より全長が短い)の締め付けに注意が必要です。この2本は、何故か他の8本よりも余計に回る傾向があります。
 今回の作業では47Nmで締めて合マークを付け、1度緩めて再び合マークが合うまで締めた時のトルクは32Nmでした。47Nmで締めると合マークからさらに15°回り、ジャーナルの内径は0.007仂さくなりました。0.007仂さくなってもメタルクリアランスが指定されている範囲内ならば問題ありません。
 今回のリビルドでは1番ジャーナルのボルトは48Nmで締めて(合マーク+15°)、他の8本は48Nmの合マークまで締めてクリアランスを確認してOKでした。クランクシャフトを仮組みして手で軽く回ったので(起動トルク:0.3〜0.4Nm)本組も同じように締めることにしました。

 クランクシャフトにコンロッドを組み付けます。コンロッドナットは、メタルクリアランスを確認した時と同様に、ボルトの伸びを優先して締め付けます。
 締め付け後の伸びは、0.126〜0.130弌▲肇襯はマニアルでは46Nm(4.55kgm)ですが、締め付け時のトルクは、46〜51Nmになりました。

 次はブロックにクランクを組み付ける準備です。メタルにオイルを塗布します。ブロック合わせ面のOリングを忘れずに取り付けます。シール剤をブロック合わせ面に塗布します。指定されているシール剤は、スリーボンド#1215です。灰色なのでブロックからはみ出してもあまり目立たず、耐エンジンオイル性良好のシール剤です。塗布してから表面が乾燥するまで60分かかるので、落ち着いて作業できます。

 ブロックが組みあがったら、次はピストン取り付けです。


2010年10月21日(木)
EJ20G リビルド その2

クランクメタル:傷が入っている

コンロッドメタル:かなり磨耗している

コンロッドキャップはナットで締め付けるタイプ

ポート段差研磨前

ポート段差研磨後

コンロッドメタルは、銅が見えるほど磨耗していたので全部交換です。

クランクメタルも傷やゴミで状態が良くないので交換することにしました。

 注文するメタルを決めるためにメタルクリアランスを確認します。マニアルではプラスチゲージを使用していますが、弊社ではシリンダーボアゲージを使用します。
 メタルにはエンジンオイルを薄く塗布します。メタル表面の保護とシリンダーボアゲージの測定子の磨耗防止が目的です。

 コンロッドメタルクリアランスは、限度値以内だったので、使用していたメタルと同じ厚さの「標準サイズ」を注文しました。
 クランクメタルクリアランスは、限度値を超えていたので、「アンダサイズ」のメタル( = 厚いメタル)を使用してクリアランスが限度値以内になるようにします。

 コンロッドボルトは、コンロッド大端側に圧入してあり、コンロッドキャップはナットで組み付けるタイプです。コンロッドナットの締付は、ボルトの伸びで管理しました。
 伸びで管理する理由は、ナットを締め付けた時、安定した軸力を得るためです。(トルク管理の場合は、締付時のナットの回転角度がねじ山とナット座面のすべり具合の影響を受けます。同じトルクでもすべりの良いナットといまいちすべらないナットでナットの回転角度にバラツキが出るのでボルトの軸力が不安定になってしまいます)。

 ボルトの伸び量はマニアルには記載されていないので、ナットを規定トルクで締め付けた時の伸び量を測定して、0.130±0.005个砲靴泙靴拭伸びの測定はマイクロメーターを使用します。


 シリンダーブロックは、ボーリングして再使用することになりました。作業は専門の加工屋さんに依頼します。ブロックは、結合ボルトを規定トルクで締め付けた後、クランクジャーナル内径とシリンダー内径を測定後、ボーリング作業のために加工屋さんに持っていきます。ボーリングは、ダミーヘッドを取り付けて行います。

 オーバーサイズピストンは、+0.25个函0.50个2種類が設定されています。今回は、溶着したアルミの除去と、シリンダー内径がピストンのスカート方向にかなり広がっていたので、加工屋さんと相談して+0.50个砲靴泙靴拭

 ブロックが加工に行っている間にヘッドの作業を進めます。12万卅行しているのでバルブガイドの状態が気になっていましたが、思ったより状態が良く、再使用可能でした。 バルブなど動弁系の部品は点検で問題なかったので全て再使用しました(ラッシュアジャスターを除く)。

 吸排気ポートは、シートリング付近の段差を研磨して、バルブすり合わせ後組み立てます。


2010年10月21日(木)
EJ20G リビルド その1

走行距離は約12万kmです。

シリンダ壁にアルミが溶着しています。

シリンダーヘッドは再使用可。

溶けた4番ピストン。

アルミが溶着している4番コンロッド。

スバル インプレッサ(E-GC8)のエンジン(EJ20G)が入庫しました。
走行距離は約12万kmです。

最近は、エンジンリビルドの依頼をする方は非常に少なく、車両も走行距離が10万劼鯆兇┐討い襪里如通常であれば、車を乗り換えてしまうところです。
しかし、オーナーの方が車にとても愛着を持っており、今後もずっと大切に乗り続けたいということなので、修理することになりました。

完全に1気筒おかしいような感じということで、分解してみると4番シリンダーにアルミが溶着していました。ノッキングでピストンが溶けてしまったようです。
溶けたアルミは、コンロッドにも溶着していました。4番コンロッドは交換です。
シリンダーヘッドは、4番の燃焼室がノッキングの影響で白っぽくなっていますが、問題なく使えそうでした。

分解前の予想通り、不具合が出ているのは4番シリンダーだけだったので、ブロックはシリンダーを修正して、再使用することになりました。


2010年9月16日(木)
フェラーリF355エンジンリビルド(その7)

タイミングベルトカバー取付

バンクの中は込み合っています

ベルト取付

完成しました

ミッションをつけて引き渡し準備完了

タイミングベルトカバーを付けて配線を通します。分解時のメモを参照しながら作業を進めます。










ヒートエクスチェンジャーやパワステポンプ、配線などで、Vバンクの中は込み合っています。











補機駆動用のベルトを取付けます。










コレクタータンクも付いて完成です。










トランスミッションは、シフトロッドのオイルシールの交換と、クラッチの点検をしました。エンジンと合体させて作業終了です。